「合コンで出会った人にビジネスの話をされた」「恋愛かと思ったら勧誘だった」――そんな経験をした人は意外と多いかもしれません。
近年、ネットワークビジネス(MLM)の勧誘が合コンの場で行われるケースが増えており、知らないうちに“ビジネスの導線”に乗せられてしまうことも。
この記事では、なぜ合コンが勧誘の場になりやすいのか、その背景と心理的な仕掛けについて詳しく解説していきます。
ネットワークビジネス関係者が合コンで使う誘導トークの特徴
合コンというカジュアルな場では、相手の警戒心が低くなっているため、ネットワークビジネス関係者にとっては“自然な出会いを装って勧誘に導く”絶好のチャンスとされています。
特に恋愛や興味関心を装いながら、会話の中に少しずつビジネスの要素を織り交ぜていくのが特徴です。
ここでは、合コンでよく使われるMLM誘導トークの具体的なパターンと、そこに隠された心理的な狙いについて解説していきます。
初対面でも警戒心が低くなりやすい場だから
合コンは、あくまで「出会い」や「恋愛」が目的の場であるため、参加者同士の心理的なハードルが低く、フラットに会話が始まりやすいのが特徴です。
この“心のスキ”を利用して、最初は普通の会話を装いながら、後にビジネスの話題へと誘導するのが、MLM勧誘の典型的なパターンです。
特に、お酒が入ってリラックスした雰囲気の中では、警戒心が緩みやすく、「怪しい」と感じにくくなる点が狙われています。
将来やお金の話をしやすい雰囲気があるから
合コンでは、自然と「どんな仕事してるの?」「将来どうなりたい?」といった話題が出やすくなります。
こうしたライフスタイルや将来設計に関する会話の中で、ネットワークビジネスの話を“夢のある選択肢”として滑り込ませることが可能になります。
また、収入や働き方の悩みを打ち明けた場合、それをビジネスの話へとつなげる“入口”にされやすいのも特徴です。
若者中心で副業や起業に関心のある層が集まりやすいから
合コンの参加者は20〜30代が中心で、将来のキャリアや副業、自由な働き方に関心を持っている層が多い傾向にあります。
そのため、「副収入を得たい」「何かチャレンジしてみたい」といった意欲がある人をターゲットにしやすいのです。
相手の前向きな気持ちを利用して、「同世代が活躍してるビジネスがあるよ」「仲間と一緒に学べるよ」と誘導しやすい環境が整っているのが、合コンの特性でもあります。
カジュアルな出会いの中で信頼を築きやすいから
合コンでは、恋愛感情や好意がベースにあるため、相手の話に耳を傾けやすくなり、結果として「信頼されやすい状態」が自然に生まれます。
その信頼関係を逆手に取り、「せっかく仲良くなったから話したいことがある」とビジネスの話へと進められるケースが多く見られます。
一見好意的な接し方でも、裏には“勧誘の意図”が潜んでいることもあるため、言動の変化や話題の展開に敏感になることが大切です。
ネットワークビジネス関係者が合コンで使う誘導トークの特徴
合コンでネットワークビジネスの勧誘を仕掛けてくる人たちは、最初からビジネス目的を前面に出すことはありません。
むしろ、恋愛や人間関係をきっかけにした“自然な流れ”の中で、巧妙に話題をビジネスにすり替えていくのが特徴です。
ここでは、勧誘にありがちな誘導トークのパターンと、その狙いについて解説します。
「実はちょっとしたビジネスやっててさ」などさりげない切り出し
最初の段階では、「ガチなビジネス」ではなく、「ちょっと副業しててね」「軽くやってる感じなんだけど」など、軽めに切り出してくることが多いです。
相手に構えられないように、あえて曖昧な表現や“ゆるさ”を演出して、興味だけを引こうとします。
ここで「何のビジネス?」と聞くと、うまく話を膨らませて次のステップへ誘導されることがよくあります。
「自由な生活に興味ない?」と理想を語る話題展開
「将来どうなりたい?」「時間に縛られずに働けたらいいよね」など、理想的なライフスタイルの話題へと展開していきます。
このフェーズでは、あくまで“夢を語る”ことがメインで、聞き手に希望や憧れを抱かせることが目的です。
ここで「それってどうやったらできるの?」と聞いてしまうと、勧誘の導線にすんなり乗ってしまう形になります。
「自分の人生変えた人がいて」など成功者を引き合いに出す
「先輩が月100万稼いでてさ」「元ニートだった人が今めっちゃ自由な生活してるんだよね」といった成功体験を話すことで、聞き手に憧れや希望を持たせます。
ここでは、ビジネスの仕組みよりも「人」にフォーカスして、感情的な共感を誘うのが狙いです。
この時点で商品や会社名が出てこない場合は、MLMの可能性を視野に入れて慎重に聞く姿勢が必要です。
具体的な内容を語らず「一度会って話せばわかる」と誘導する
「ここでは説明できないけど」「実際に体験してみるのが一番早いよ」など、詳細な説明を避ける傾向があります。
これは、事前に警戒心を持たれないようにするための戦略で、セミナーや個別面談の場へ誘導するための常套句です。
具体性のないまま次のアポに進もうとする場合は、一度立ち止まって考えることが重要です。
「今度会おう」は要注意?MLMに誘われる典型的な流れとは
合コンの場では、すぐにビジネスの話を切り出さなくても、後日あらためて接触してくるケースがほとんどです。
その「2回目の接点」が、実はMLM勧誘の本番であることが多く、自然な誘いに見せかけた“導線”に注意が必要です。
ここでは、合コン後にMLMに誘われる典型的な流れを紹介します。
連絡先を交換した後、1対1での再会を提案される
まずはLINEやInstagramで連絡を取り、「この前はありがとう!またゆっくり話そうよ」といったメッセージが送られてきます。
この時点では恋愛的な雰囲気を出してくることもあり、相手に“親しみ”を感じさせるのが狙いです。
「将来の話がしたい」など曖昧なテーマで会う約束をされる
次に会う際には、「人生についてちょっと話したいことがあるんだよね」「仕事のことで相談したいことがあって」といった、漠然としたテーマが持ち出されます。
このような言い回しは、ビジネスの話だと気づかせないためのカモフラージュです。
再会の場がセミナーや勉強会と化すケースが多い
いざ再会してみると、「知り合いも一緒にいい?」と言われて複数人の場になったり、カフェや会議室でプレゼンが始まったりするケースがあります。
ここで初めて「これってビジネスの勧誘だったの?」と気づく人も多いですが、場の雰囲気から断りにくくなることも。
食事中にプレゼン資料やビジネスの話が始まることもある
または、1対1のランチやディナーの場で、突然スマホやパンフレットを使った説明が始まるパターンもあります。
リラックスしていたところに急に「収入の柱を作ろうと思っててさ」といった話が出てくると、断るタイミングを逃しやすくなります。
こうした流れに違和感を覚えたら、無理に合わせず、「今日はそういう話を聞きに来たんじゃない」とはっきり意思表示することが大切です。
合コン後に勧誘されやすいシチュエーションと対処法
合コンで出会った相手とやり取りをしているうちに、なぜかビジネスの話に発展していた――そんな経験を持つ人も少なくありません。
特にネットワークビジネス関係者は、初対面ではあえて本題に触れず、後から信頼関係を利用して本格的な勧誘に移るケースが多いです。
ここでは、合コン後によくある勧誘パターンと、それに対処するための考え方を紹介します。
「信頼できる人に会わせたい」と紹介を持ちかけられる
「すごく尊敬してる先輩がいてさ」「人生変わった人がいるから一度会ってみて」などと言われ、第三者との面会を勧められるパターンがあります。
これはネットワークビジネスにおいてよくある「上位者との面談」への導線であり、最終的には勧誘トークが始まる可能性が高いです。
その場の雰囲気や言葉に流されず、紹介の目的やビジネス内容が明確でない場合は、会わない選択肢も冷静に持ちましょう。
急に丁寧な言葉づかいでビジネス色を出し始める
雑談やフランクなやりとりが続いていたのに、ある時点から「○○事業を展開していて」など、急に言葉づかいや態度が“ビジネスモード”に変わることがあります。
これは本格的な勧誘フェーズへの移行を意味する兆候です。
違和感を覚えた時点で「これは本当に自分に必要な話か?」と一度立ち止まって判断しましょう。
断っても何度も連絡が来るなど粘られる場合がある
一度断っても、「一度だけ話を聞いてほしい」「説明しきれてなかったからもう一度」などと、何度も誘われることがあります。
このような粘り強い勧誘は、MLMで成果を出したい人が“数字のため”に動いている可能性があるため、必要以上に関わらないのが賢明です。
着信拒否やブロックなど、自衛の行動も選択肢として持っておくことが大切です。
少しでも不安を感じたら無理に会わない勇気を持つ
「なんとなく違和感がある」「言動に一貫性がない」など、自分の直感が危険信号を出している場合は、それを無視しないことが最も重要です。
たとえ相手が感じの良い人であっても、無理に会う必要はまったくありません。
“距離を置く勇気”こそが、あなた自身の時間と信頼関係を守る最大の武器になります。
ネットワークビジネス勧誘かどうかを見抜くチェックポイント
合コンやその後のやり取りの中で、「これってもしかして勧誘…?」と疑念がよぎることもあります。
そこで、相手の言動や会話の流れから、ネットワークビジネス勧誘かどうかを見抜くためのチェックポイントを紹介します。
早めに見抜くことで、不快な思いや時間の浪費を避けることができます。
やたらと「自由」「夢」「仲間」という言葉を使う
MLMの勧誘では、「夢を叶えたい」「仲間と一緒に成長しよう」「自由を手に入れよう」などのキーワードが多用されます。
こうした言葉は感情を刺激しやすいため、ビジネスの具体性をぼかすために使われがちです。
ビジネス内容を聞いても詳細を教えてくれない
「ちょっと説明が難しいんだけど」「一度話を聞いてみないとわからないかも」といった返答が続く場合は要注意です。
本当に信頼できるビジネスであれば、相手に誤解がないように丁寧に説明できるはずです。
「誰でもできる」「簡単」と繰り返す
「パソコンも知識も不要」「学生でも主婦でもできるよ」といった“手軽さ”を強調する言葉も、勧誘の典型パターンです。
こうした過剰な簡単さには、現実とのギャップが隠れている可能性があります。
最終的に説明会やセミナーへの参加を促される
会話が進むにつれて「実際に成功者の話を聞いてほしい」「いい勉強会があるから」と誘われたら、勧誘の本番が近いと考えて良いでしょう。
参加する前に「どんな内容?」「誰が主催?」などを確認し、不明点が多い場合は参加を控える判断も重要です。
「まずはやってみなよ」と即決を求めてくる
「悩むより行動」「やらないと損だよ」といった言葉で即決を迫るのは、判断を急がせるための典型的な手法です。
その場の雰囲気に流されず、「持ち帰って考える」という選択肢を忘れずに持ちましょう。
合コンでよくあるネットワークビジネス勧誘についてまとめ
合コンというリラックスした出会いの場が、ネットワークビジネス(MLM)の勧誘に使われるケースは少なくありません。
初対面で警戒心が薄れている中で、「副業」「自由な働き方」「夢」などの言葉を巧みに使い、相手をビジネスの導線へと誘導していく流れは非常に巧妙です。
特に「ちょっと話したいことがある」「信頼できる人を紹介したい」などの誘いには注意が必要で、詳細を語らず“会ってから説明”というスタンスが続く場合は要警戒です。
恋愛感情や好意を利用されるケースもあるため、自分の直感を信じて不安を感じたら距離を置く判断をすることが大切です。
ネットワークビジネス自体が違法であるわけではありませんが、勧誘の仕方や情報の隠し方に問題がある場合が多いため、冷静な視点と断る勇気を持つことが、自分を守る最大の防御になります。